家族に内緒で自己破産をしたい

家族に内緒で自己破産をしたい

借金で苦しんでいることを家族に知られたくない。もし知られたら離婚されるかも。そんなお悩みをお持ちのご相談者はとても多くいらっしゃいます。

ご家族に内緒にしたまま自己破産ができるのか。弁護士や司法書士のさまざまなホームページでは、内緒にできるという意見もあれば、内緒にするのは難しいと説明するサイトもあります。検索していると一喜一憂してしまいますよね。

当事務所の実務的な感覚で言うと、家族に内緒での自己破産は、ケースによっては可能なこともありますが、多くの場合、家族に知られずに自己破産をすることはなかなか困難が伴うと思います。ご依頼時にご希望はお聞きしますが、100%内緒にできる保障はないことと、以下で述べるとおり自己破産の申立てにあたってご家族の協力が必要なことを相談時にご説明します。それでも、どうしても内緒にしたいということであれば、最善は尽くします。

自己破産には家計全体の資料が必要

家族に内緒で自己破産するのが難しいと考える理由の1つに、自己破産申立書には家計全体の収支に関する資料を添付書類として提出する必要がある、という点が挙げられます。

たとえば、以下のような資料を、ご家族の協力なしに集めることができるでしょうか。以下の内容はあくまで代表的な必要書類の一例ですが、もし家計管理をすべてご自身でされていて、これらの書類を含め家計収支に関する資料をすべて1人で集められるようであれば、家族に内緒で自己破産できる可能性も出てきます。

給与明細、源泉徴収票

たとえば夫婦共働きの場合、同居の子どもが就職している場合など、ご本人以外に収入のある方がいらっしゃる場合は、その全員の給与明細や源泉徴収票などもご提出いただくことになります。家計全体の収支状況を把握するためです。

家族に対して「給与明細書を見せて」と、怪しまれずに頼むことができるでしょうか。こうした依頼ができる場合、あるいは給与収入があるのがご本人だけというケースであれば、この点はクリアできる可能性が出てきます。

ライフラインの支払い

水道光熱費や電気代、家賃、電話代などの支払いについて、口座引落しの場合は通帳のコピー、コンビニ納付や現金払いの場合は領収証コピーの提出が必要になります。

もし配偶者名義の通帳から公共料金が引落しされている場合は、その通帳を借りることができるでしょうか。また、コンビニ等で支払った電気代等の領収証を、自己破産のことを内緒にしたまま預かることができるでしょうか。もし依頼者ご本人の口座から引き落とされていて明細書も自分で管理しているなどの場合は、クリアできる可能性が出てきます。

裁判所や債権者からの郵送物は、司法書士事務所に届く

司法書士に自己破産の手続きを依頼すると、サラ金等の債権者からの郵便物は司法書士あてに届き、また電話連絡等も司法書士に対して行われます。また、自己破産申立て後の裁判所からの郵送物も、送り先(送達場所)司法書士事務所に送ってほしいという上申をすれば、司法書士事務所に届きます。

司法書士に依頼することにより、こうした郵便物から借金のことが家族にバレる可能性は格段に減ることになります。この点は、家族に内緒で手続きを進める上でプラス材料といえます。

任意整理に切り替えるという選択

家計資料を1人で集めることが難しいなどの事情があり、それでも家族に内緒で債務整理を進めたい場合、自己破産ではなく任意整理に切り替える方法も考えられます。あくまで返済の見込みがあることが前提ですが、任意整理であれば基本的に家族に内緒で進めることができます。

まとめ

家族に内緒で自己破産ができるかについて、当事務所の考え方をご説明しました。

ポイントは家計収支や財産に関する資料をいかに集められるか、という点にあります。

ハードルが高いと思いますが、この点をクリアできると、家族に内緒で自己破産をできる可能性が出てきます。

やはりご家族の協力を得ながら進める方が、自己破産の準備はスムーズに進みます。覚悟を決めて家族に打ち明けると、実際は離婚の話などにならず、案外協力を得られたという事例も多く経験してきています。

いずれにしても、ご家庭の状況は相談者ごとにさまざまですから、どうしても内緒にしたいということであれば、確約はできませんが当事務所としてもベストを尽くします。

また、少なくともご自身で自己破産の手続きをするよりは司法書士に依頼したほうがバレる可能性は確実に低くなりますし、自己破産では多くの提出書類が求められますからご自身で手続きをするのはなかなか難しいです。自己破産をご検討の方は、お早めに当事務所の無料相談をご利用いただければと思います。

keyboard_arrow_up

電話番号リンク 問い合わせバナー