クレジットカードによるショッピングなどでよく利用されるリボ払い(リボルビング払い)は、お手軽に月々の返済額が抑えられる便利な返済方法です。ただ、リボ払いを多用するとだんだんと返済額が増え、気がついたら月々の支払が苦しくなってきたので債務整理を検討されたいというご相談は多いです。
リボ払いだけではなくキャッシングの場合なども含めて、月々の返済が厳しくなった場合の解決方法についてご説明します。
このページの目次
月々の返済を抑えるには任意整理が有効
月々の返済を抑えたいというご相談に対してまずお勧めするのは、任意整理という方法です。債権者との合意により将来利息を0%にして、3~5年で分割払いしていくものです。
たとえば、次のような例で考えてみましょう。
A社 | リボ残高100万円 | 利息年15% | 月々返済額30,000円 |
B社 | 借金残高80万円 | 利息年18% | 月々返済額25,000円 |
C社 | 借金残高120万円 | 利息年15% | 月々返済額35,000円 |
合計 | 借入総額300万円 | 月々返済額90,000円 |
このケースで何も対策せず今のまま返済を続けると、返済計画は次のようになります。
A社 | 3年8か月後に完済 | 返済総額約130万1,100円 |
B社 | 3年8か月後に完済 | 返済総額約109万7,000円 |
C社 | 3年10か月後に完済 | 返済総額約157万6,000円 |
合計 | 返済総額約397万4,100円 |
これに対し、5年返済(60回払い)、将来利息カットの任意整理をすると、返済計画は次のようになります。
A社 | 月々返済額16,600円 | 返済総額100万円 |
B社 | 月々返済額13,400円 | 返済総額80万円 |
C社 | 月々返済額20,000円 | 返済総額120万円 |
合計 | 月々返済額50,000円 | 返済総額300万円 |
任意整理することにより、月々の支払いは4万円減り(9万円→5万円)、5年かけてゆったり返済できるようになり、さらに返済総額も約97万円も少なくすることができます。
上記はあくまで一例ですが、任意整理が月々の返済を楽にする有効な手段であることがお分かりいただけると思います。
なお、ご相談者の状況によって、任意整理によりどの程度月々の支払いが減らせるかは変わってきます。司法書士に依頼して調査してみたら過払いが生じていた、というケースでは、もっと月々返済額が減ることもあります。任意整理をご検討の方は、お気軽にご相談いただきたいと思います。
任意整理の注意点
任意整理は、上で述べたように月々の返済を少なく出来るのですが、一方で注意点もあります。
最大のデメリットは、任意整理をすることにより信用情報(いわゆるブラックリスト)に登録されるということです。ブラックリストに登録されると、5年~7年程度、リボ払いをはじめとしたクレジットカードの利用ができなくなり、その期間は現金払いの生活を過ごすことになります。また、新たに住宅ローンや自動車ローンなどのローンを組むことができません(すでに組んでいるローンについては、返済が滞らない限りは問題ありません)。
まとめ
月々の返済を抑えたいという方には、任意整理が有効な方法であることを、具体例を交えてご説明してきました。将来利息のカット、最大60回の長期分割払いによって月々の返済額を抑えることが可能です。
デメリットももちろんありますが、それ以上に、任意整理により月々の返済を減らして楽になり、借金に頼らない生活を取り戻すという生活再建のメリットの方がよっぽど大きいと感じます。
月々の返済に苦しんでいらっしゃるのであれば、できるだけ早いの段階でご相談いただきたいと思います。任意整理ができるのは5年で完済できる状況にあることが1つの目安になります。相談が1日遅くなるごとに利息や遅延損害金がその分加算されていきますが、利息や遅延損害金が膨らんだことによって任意整理ではなく、やむをえず自己破産を選択せざるを得ないという相談例も過去にありました(ちなみに、任意整理によってカットできるのは今後の将来利息であって、すでに発生している過去の利息はほとんどのケースで減額できません)。
返済が苦しくなってきたなと感じたら、お早めに当事務所までご相談ください。