任意整理とは~任意整理のポイントと注意点~

任意整理とは

任意整理とは、サラ金等からの借金について、交渉によって返済金額や返済期間を見直すことを言います。

具体的には、将来利息や遅延損害金を0にしてもらうことで返済総額を減らす、また3年~5年の分割払いを認めてもらうことで月々の負担を軽くする、という交渉が中心になります。


任意整理のポイント

ポイント1 月々の返済額が減る

任意整理をすることで、月々の返済額を減らすことができます。

ご経験のある方も多いと思いますが、返済が滞ってくると、「利息だけ返済してくれればいいですよ」という悪魔の囁きをしてくるサラ金業者もあります。しかし、利息部分のみを返済しているのでは、いくら返しても元本が減らず、いつまでも返済が終わらないことになります。

たとえば、年利15%で100万円の借入残高が残っている場合、月1万5000円ずつの返済だと、5年後の元本残高はいくらになると思いますか?答えは、約78万3000円です。トータル96万円(1万5000円×60回)払ったのに、元本は22万円しか減らない。なぜなら、1万5000円のほとんどが利息に充当されているからです。

この場合、もし将来利息を0にする通常の任意整理ができれば、だいたい月1万6700円返済することにより、5年で返済終わり、ということになります。

任意整理が有効であることがお分かりいただけると思います。


ポイント2 裁判所の手続きが不要

任意整理は、あくまで借り手と貸金業者等との話し合いによる解決方法ですから、自己破産や個人再生などと異なり、裁判所の手続きは必要ありません。裁判所に行かなくていいというだけで精神的なプレッシャーも少ないでしょうし、司法書士としても作成する書類が少なくなりますから、費用を抑えて借金の解決ができます。


ポイント3 一部の業者だけの任意整理も可能

自己破産や個人再生では、親族や友人からの借り入れも含めてすべての借金について手続きの対象となる必要があります。

これに対し、任意整理では、借り入れのある業者の一部のみについて任意整理を行うことができます。たとえば自動車ローンや住宅ローンは今のまま支払いを続け、利息の高いサラ金のみについて任意整理をする、といったことが可能です。


司法書士に任意整理を依頼するメリット

ここでは、司法書士に任意整理を依頼するメリットについてご説明します。

 

1 サラ金業者からの連絡がストップする

司法書士に任意整理をご依頼いただくと、すぐに貸金業者等へ「受任通知」という手紙を送ります。すると、ご本人への督促がピタっと止まります。また、司法書士が受任通知を発送してから和解までの数か月間は返済が不要になります。

ご自身で返済しているときは、1日でも返済が遅れると電話がかかってきたり、自宅に督促状が届いたりと、常に不安に駆られているのではないかと思います。司法書士への依頼により、平穏な日常が取り戻せると思います。

任意整理を司法書士にご依頼いただく大きなメリットの1つです。


2 より有利な条件での任意整理が可能になる

当事務所が任意整理をご依頼いただいた場合、将来利息をカットする、言い換えると、今後は元本だけ返せばよいという内容で和解することを最低ラインとして交渉を行います。

一方で、ご本人がサラ金業者と交渉しても将来利息カットの条件を引き出すのは難しいと思われます。サラ金業者もプロですから、ポイントを押さえた交渉をしないと術中にはまってしまいます。

借金問題の経験豊富な司法書士は、サラ金業者との交渉のポイントを心得ていますので、より有利な条件で支払いを開始できる可能性が高まります。


任意整理をおすすめするケース

次のような方には、任意整理がおすすめです。


銀行ローンやサラ金で借り過ぎて、月々の返済が苦しい

すでに述べたように、任意整理には月々の支払額を減らせる効果があります。

借入額や時期によりさまざまなので一概には言えませんが、だいたい任意整理ご依頼前の50~60%になるケースが多いように感じます。たとえば月9万円返済していたのが月5万円になるようなイメージです。


家族や周囲の人に秘密で債務整理をしたい

個人再生や自己破産の場合、家計に関する資料を裁判所に提出するため、どうしてもご家族の協力が必要なケースが多いです。特に自己破産の場合は自動車や持ち家を所有している場合は手放すことになるので、家族に隠し通すのは難しいかもしれません。

任意整理では、司法書士に依頼いただければご自宅等への連絡がストップし、以後司法書士がすべて交渉を行いますから、ご家庭への連絡や督促状が行くことは無くなります。交渉過程でのお打合せなどは当事務所にお越しいただければ誰にも知られませんので(司法書士には守秘義務があります)、結果として家族に知られるケースはほぼ無いと言えます。


自宅(持ち家)を手放したくない

自己破産と異なり、任意整理では3~5年で分割返済すれば支払いが終わるように交渉をまとめますので、自宅を売却して返済をする必要もありません。任意整理は裁判所が関与しない手続きですから、約束した返済を続けられれば財産が差し押さえられるようなことはありません。


任意整理の注意点

ブラックリストに登録される

司法書士が貸金業者やクレジットカード会社に受任通知を送ると、いわゆるブラックリストに登録されます。これにより、5~10年程度、新しくローンを組んだり、クレジットカードを利用することができなくなります。残高が残っている会社だけでなく、基本的にはすべての業者からのローン等ができないことが、注意点になります。

クレジットカードで毎月支払っているような料金は、支払い方法の変更をしていただく必要があります。


他の手続きに比べて減額幅は少ない

任意整理は将来利息をカットできるから支払いが楽になる、とご説明しましたが、一方で元金は引き続き返済する義務を負います。

借金が0になる自己破産や、最大100万円まで借金を減額できる個人再生などと比較すると、減額率は低いと言えます。


任意整理における最大のポイント~最後まで返済できるかをきちんと見極める

任意整理における最大のポイント、注意点をお話します。

任意整理の目的は、あなたの生活再建です。一時的に借金を減らせても、再び支払いが滞ったらいつまでも返済が終わらず、生活再建の目的を果たせないことになってしまいます。中には、以前に別の弁護士や司法書士に依頼して任意整理をしたが、その返済計画に無理があり、当事務所に2度目の任意整理の相談に来られた方もいらっしゃいました。

ですから、任意整理による和解をする場合には、3~5年間、この金額を払い続けられるか?をきちんと精査することがポイントです。もし継続して返済するのが苦しいと思われる場合は、自己破産など別の手続きをご提案することもあります。

当事務所では、借金を減らす交渉だけで終わるのではなく、家計の状況をお聞きして、余裕をもって返済できるプランをご提案します。1度任意整理をするとしばらくは借りられなくなるのですが、もう借金をしなくてもずっと生活していける、そんなゴールを描いていきます。


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