サラ金業者などからの借金が膨れ上がってしまい返済が苦しい方にとって、少しでも借金を減額できないか、というのは共通のお悩みでしょう。
自己破産ができれば借金は０になるので分かりやすいですが、一方で失うものも多いことから、「できれば自己破産は避けたい」「自分が借りたのだから、払える範囲で返済してけじめをつけたい」とお考えの方も多くいらっしゃいます。
借金を減額する方法としては、任意整理と個人再生という２つが考えられます。それぞれについて、ご説明します。
このページの目次
任意整理とは
任意整理とは、貸金業者との交渉によって、返済額を減らすとともに３～５年の分割払いで完済するよう和解する手続きです。
任意整理では、一般的に将来利息（和解した後の利息）を０％にしてもらいます。貸金業者にとっては利息部分が売上になる訳ですから苦渋の選択だとは思いますが、自己破産によって元本を回収できなくなるよりはまだマシという判断をするのでしょう、ほとんどのケースで合意することができます。
後ほどご説明する個人再生と比べると、減額できる額は小さいですが、それでもそれまで１８％だった利息が０％になるので、月々の支払は楽になります。また、任意整理の特徴として、
- 裁判所での手続きが不要なので裁判所に行く必要もなく、比較的楽に手続きが進められること
- 債権者の一部のみ任意整理ができるので、たとえば友人親族からの借入れや住宅ローン・自動車ローンはいままでどおり支払い、利息の高いサラ金の借入れのみ任意整理するという選択もできること
などがあげられます。
任意整理をすると具体的にどれくらい借金額が減るかという計算については、「月々の返済を抑えたい」の記事でご紹介しています。
個人再生
個人再生とは、任意整理では完済が難しく自己破産の一歩手前という状況の場合に、裁判所の手続きを利用して借金を大幅に減額し、残った借金を原則３年で返済していく手続きです。自己破産と異なり、住宅ローンの残っている持ち家を手放さずに借金を減額できる「住宅資金特別条項」という独特のルールがある点もメリットと言えます。
借金を大幅に減額、と説明しましたが、具体的には現在の借金残額に応じて、一定の条件を満たせば次のとおり減額されます。
| 借金総額が100万円～500万円の場合 | 100万円 |
| 借金総額が500万円～1,500万円の場合 | 借金額の５分の１ |
| 借金総額が1,500万円～3,000万円の場合 | 300万円 |
| 借金総額が3,000万円～5,000万円の場合 | 借金額の１０分の１ |
かなり減額幅が大きいですよね。
ただし、所有する全財産の評価額（清算価値といいます）が、上の表で求めた返済額より高い場合、所有する全財産の評価額相当の返済をする必要があります。たとえば、借金が500万円、手持ちの財産が200万円の場合、100万円まで減額はできず、減額後の借金は200万円になります。ローン返済が終わった持ち家や自動車など、清算価値の高い財産を所有している場合にはあまり減額が見込めず、その分だけ借金総額が多く残りますから、個人再生は向かないと言えます。
まとめ
借金を減額する方法として、任意整理と個人再生をご紹介しました。
任意整理は利息カットして３～５年で返済できる場合に柔軟な解決ができ、月々の返済額も減額できます。個人再生は３～５年で返済が難しく自己破産の一歩手前という場合に、裁判所の手続きを通じて大幅に借金減額が見込めます。
借金を少しでも減額して支払っていきたいという方は、債務整理の経験豊富な当事務所までご相談ください。返済が滞ると１日たつごとに借金総額が増えていってしまいます。借金を1円でも減額しようと考えでしたら、お早めにご相談いただきたいと思います。
