今すぐ自己破産をしたほうがいいケース

自己破産したほうがいいケースというのは、一言で言えば今抱えている借金を完済することが見込めないときです。この状況を法的には「支払不能」といい、破産法では一応以下のように定義されています。 

支払不能とは、「支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態」をいう(破産法2条11号)。

 

ここでは、どのような場合に支払不能と認められ、自己破産したほうがいいと言えるのか、について具体的なケースも交えながらご説明していきます。


自己破産をしたほうがいいかどうかは、借金の額のみでは決まらない

借金総額が何万円以上なら自己破産できますか?というご相談を受けることがあります。

しかし、借金の金額だけでは自己破産できるかどうかは検討することができず、借金額のほかに収入、職業、年齢などさまざまな要素を検討して決まることになります。

たとえば、生活保護受給者や無職の方が借金額100万円のケースであれば、支払不能として自己破産は認められやすいでしょう。逆に、年収1000万円で手持ちの資産も潤沢である人が借金額5000万円のケースでは借金返済が可能なことが多いでしょうから、自己破産は認められにくいと考えられます。


5年で返済可能かどうかが目安

上で述べたように、支払不能かどうかは様々な要素を総合的に検討して決めるので一概には言えませんが、一般的には、(将来利息をカットする前提で)借入総額を5年で返済できるかが1つの基準になるでしょう。5年で返済できるのであれば、任意整理をすることによって支払いが可能と考えられるからです。

5年での完済が難しい場合は、一般的には自己破産したほうがいいケースと言えます。

そのような場合、食事の回数を減らしたり必要な衣服を買えなかったり、という事態になっていることもあるのではないかと思います。そこまでして自己破産を我慢する必要はありません。自己破産は法律で認められた制度ですから、遠慮せず利用すべきです。

 

返済可能かどうかの計算方法

手持ちの財産に換価できるもの(自動車や持ち家など)がない前提でお話します。

  1. まずは月々の手取り給与額から家賃、食費などの生活費の額を引き算して、家計収支を計算します。
  2. 家計収支でプラスになった額のうち、実際に返済にまわせる金額(返済原資)を検討します。
  3. 借金総額を返済原資で割ると、完済までの返済回数が計算できます。これが60回であれば返済可能、60回を超えるようであれば返済が難しい可能性があると言えるでしょう。


自己破産したほうがいいケースの具体例

夫婦と子ども2人の4人家族。換価可能な資産は所有していない。

借金総額 400万円
手取り給与 25万円(ボーナスは無し)
家賃 8万円 光熱費 2万円 食費 7万円 通信交通費 2万円 交際費 1万円
1カ月の収支 5万円プラス(一応の返済原資は5万円)

この5万円をすべて返済に回したとしても80ヶ月(400万円÷5万円)、つまり6年8か月かかってしまいます。6年8か月もあれば、病気等により予想がつかない出費があるかもしれません。賃貸であれば2年に1度更新料がかかることもあります。あるいは、思わぬ病気などで臨時の医療費がかかるかもしれません。収支が5万円プラスの家計で、5万円をすべて返済に回すのは慎重に考えるべきです。

このような検討結果から、このケースでは自己破産を検討したほうがいいと考えられます。

一方、仮に賞与(ボーナス)が支給されることが確実に見込めるとか、定期昇給が必ずある会社などであれば、上記の検討は少し変わってくるのかもしれません。ただ、コロナ禍において賞与カットや昇給停止の事例も多く耳にするところであり、シミュレーションにあたっては賞与や昇給をあまりアテにしすぎない方がいいかもしれません。


自己破産したほうがいいかどうか分からない場合は、すぐご相談ください

上でご説明した事例はあくまで1つの例であり、借金総額や家計、保有資産やその他の状況は人によって異なるものです。たとえば、20代でまだまだ長期間働けるという方と、定年間近で年金生活が迫っている方とでは、同じ債務状況でも支払不能の判断は変わってくる可能性があります。また、持ち家がある方であれば自己破産だと家を失ってしまうことになるので、個人再生による解決が図れないかの検討が必要でしょう。

自己破産したほうがいいかどうか判断がつかないという場合は、ぜひ当事務所にお早めにご相談ください。お早めに、というのは意味があって、ご相談にいらっしゃる前にある行為をすると自己破産ができなくなってしまうケースもあるのです。

当事務所では債務整理や自己破産に関するご相談は無料ですから、お気軽にご相談をお申込みください。

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