生活費がやりくりできない、家計収支がマイナスになってしまうというご家庭の場合など、ご夫婦ともに借金問題を抱えていらっしゃるというご相談は比較的よくあります。
そもそも、夫婦で同時に債務整理ができるのか?とご質問いただくことがあるのですが、これは問題なく夫婦そろっての債務整理は可能です。むしろ、ご家庭の借金問題を根本的に解決するには、ご夫婦が同時に債務整理をすることが望ましいと言えます。
ここでは、ともに借金に苦しむ夫婦が債務整理をする場合のポイントについてご説明します。
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夫婦の一方だけ債務整理なら、もう1人のカードはまだ使える?
債務整理をするとクレジットカードが使えなくなります。
このことを知っているためか、夫婦が同時に債務整理を行うとこれ以上借りられなくなって生活が苦しくなる、というお気持ちから、たとえば夫だけ債務整理をし、妻のクレジットカードを残しておきたいと要望されるご夫婦もいらっしゃいます。
確かに夫だけ債務整理した場合、妻はカードを引き続き利用はできます。しかし、家庭で抱える借金のお悩みは、2人同時に債務整理を行わないと、根本的に解決しません。
たとえば、これまで夫のカードで50万円(利息18%)、妻のカードで50万円(利息18%)借りているケースで、夫が債務整理をすることにより妻がカード借入額を100万円(利息18%)に増やしたとすれば、家庭全体としては引き続き借金返済に追われる状況に変化はありません。この場合、ご夫婦そろって任意整理をすれば、合計100万円(利息18%)の借金が利息0%となり、元金100万円だけを返済すればよい状況に変わるので、月々の返済額も減り、家計の改善を図ることができます。
債務整理で目指すものは、個人の借金減額ではなく、家庭全体としてカード利用に頼らずに生活費を回していけるようにすることだと思います。ご夫婦そろっての債務整理をお勧めします。
夫は任意整理、妻は自己破産、は可能?
債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生と大きく3つの方法がありますが、夫と妻とで異なる方法での債務整理も可能です。
たとえば夫の単独名義で住宅ローンを組んでいる場合、その夫が自己破産をすると自宅を失うことになってしまいます。このような場合、夫は任意整理、妻が自己破産、という選択も可能だということです。
もちろん、夫も妻も任意整理、などご夫婦とも同じ方法での解決もできます。
具体的にどの方法を利用するかはご夫婦それぞれの財産状況や借入額によって変わってきますので、個別にご相談いただければと思います。
まとめ
夫婦で債務整理をする場合のポイントと注意点についてご説明しました。
夫と妻は法律的には別の人格で、それぞれ個人として借り入れをしているわけですが、健全な家計を取り戻すという観点からすると、夫婦がそろって同時に債務整理をすることが絶対に必要と言えます。
また、夫婦で債務整理をする場合は、同じ事務所にご相談ください。別々の事務所にご相談されると、方針の足並みがそろわなかったり、返済計画に矛盾が生じたりしてしまい、結果として解決が遅れてしまいます。
夫婦で債務整理をご検討されているという方は、お早めに当事務所へご相談ください。